めざせ!ホリデーじょうず

ひとりの休日の過ごし方がどうもつかみきれない。

のんびり散歩とか、公園で読書とか、コーヒー屋めぐりしたりが好きなので、ホリデーじょうずの素養はあると思うんですけど、こう、よっしゃー満喫したぁー! という感じのカタルシスを得られるまではいかない。まだいける気がする。上を目指せると思う。

きっと、休日のカタルシスを得るには、目的と達成感が必要だと思ったので、「ふつうの休日をふつうに過ごしたことをレポートする」「街を紹介する」という目的を設定した。

あと、サブテーマとして、「読書するのに良い場所さがし」というのも盛り込もう。レポートなので、行った場所の簡単な紹介などもしていこう。

そういったものがはじまります。以下に。

 

   ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

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JR大阪環状線天満駅をスタート地点とす!

慣れたエリアなので気に留めなかったけど、だいぶん入り組んだエリアなので、「←南」の貼り紙なかったらすぐ道に迷うと思う。さあどこで読書しようかな。

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改札を出てまっすぐ進むと、「日本一長い商店街」の異名をとる天神橋筋商店街にぶつかります。

 

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テントウムシが、アーケードのいたるところに現れるのですが、背中の点の数で何番街かを表しているそうです。ここは4番街なので、点は4つ。天神橋筋4丁目、略してテンヨン。

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商店街は、南北に延びていて、南端を1番街として6番街まであります。天満駅前は4番街。まっすぐ長いので、人が少ない深夜に終端を見渡そうとすると、地平線に沈んでいるように見えなくもないです。

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まあ、商店街はまあ、横断しちゃいます。人がとにかく多くて、喫茶店とか寄って本読むにしてもたぶん落ち着かないので。どこに行こうかな。

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角のセブンイレブン。巣立った仲間からのお便りがアットホーム感を出してます。家みたいに落ち着いて読書できそう。2階があるのでイートインスペースかなと思って上がってみたら、販売スペースでした。実家に帰ったら自分の部屋が物置になってたようながっかり感を4倍に薄めたくらいの、薬味ていどの落胆。

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天神橋筋商店街を横断して向かいには関西テレビのビルがあります。となりには区役所もあって、ここぞ街の中心! という風情です。

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関西テレビを抜けると区民憩いの扇町公園が広がっています。読書に適してそさインジケータの針が反応します。

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むちゃくちゃ広いです。野球とサッカーが同時にできる。むろん読書も。

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この公園、通勤の通り道なんですけど、夜の関テレの貫禄がすごい。SFアドベンチャー系の小説とか読んでたら敵のアジトには間違いなく関テレ社屋を代入する。

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ここでちょっと休憩。この芝生に腰をおろして、ちょっと読書。散歩中の犬や飼い主さんの交流、サッカークラブの子どもたちの歓声、風の音を聞きながらの読書は、ホリデーじょうずスコアが高い! 爽快です。

ちなみに、ここでは大森望・編のSF小説アンソロジー「NOVA 8」所収の山田正紀・著「雲のなかの悪魔」という中編を読みました。結晶化された知性が堆積する量子鉱山を舞台にしたゴリッゴリの特濃SFです。のどかな公園でSF読むの、目の前の風景が虚構のものに思えてきて楽しいですよ。

読書に集中できる公園はいい公園だと思います。

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公園にいくたびにハトの写真をSNSにアップするので、ぼくが公園へ読書しにいくことを奥さんは「ハト見」と呼んでいます。

ちなみに最近、ハトが飛び立つときほぼ必ず小さく「ホロッ」って言ってることに気づきました。羽ばたきによる筋肉の収縮で体内の空気が押し出されるからかなー。うっかり漏れちゃってる感じがカワイイ。

 

公園を南へ抜けて、また商店街にもどりそのまま横断します。扇町エリアへ。「雲のなかの悪魔」はまだ読み終わっていないのだ。次なる読書スポットを探します。

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高架とビル、接しすぎでは。道路公団の「阪神高速パンチ」をビルがぎりぎりで避けているという妄想をする。なんという、都市という巨大集合生命体たちの人間には知覚すらできぬ規格外の闘争か!

えーと、なんか、阪神高速沿いのこの一区画だけひっそりしてるんですよね。もうちょっと歩くと飲食店がひしめいているんですが。

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こんな感じで、だんだん店が。

きっとしみじみ美味い焼き鳥が食べられる「とりやん」。2階の配管、これだと左の窓の庇(ひさし)がぎとぎとにならないか。気になって本に没入できない。やたらぎとぎとした本なら良いかも。平山夢明さんの小説とか。平山夢明さんの小説は読み始めて2行くらいで、生ぬるい血とか脂の感触がしてきて、ぎとぎと読書にオススメですよ。

 

もうちょい進むと、阪急オアシスというスーパーがあったりして、住宅地に入っていきます。

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老舗っぽいけど小ぎれいな喫茶店。朝8時~夜8時まで。けっこう遅くまでやってる。仕事終わりに立ち寄って、読んでる本がうっかり佳境にさしかかっても安心して没頭できそうです。

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「フジオ珈琲」。ただの良い喫茶店です。何回か利用しました。モーニングでナポリタンが選べます。朝からがっつりいきたい人に。

もちろん読書にも最適! なのですが、良い意味でのノイズが少なすぎる気もします。居心地がよすぎるというか。

安定した集中しやすさはありますが、読書体験の限界突破を狙うなら適度なガヤガヤ感とかの不確定要素が多いほうが良い、というアレがあるので、旅は続きます。

とか考えてたこのへんで、読書感が歪んできました。あれ、これゴールどこだ……。

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扇町エリアを抜けて、東天満へ。

こういう店いいなあ。近所の小学生が放課後つどいそう。朝、パンを買いにきたことがあるのですが、この家の小学生の子どもを友達が迎えにきて、一緒に登校するシーンに遭遇しました。いや、なにっちゅうアレでもないんですが、「暮らし!」と思いました。

んで、やっぱりこういう商店にはチェリオの自販機だよな~! と。

この店のパンとチェリオのジュース買って、このへんの公園で本読むのいいな。重松清・著の名作少年小説「きよしこ」とか。馳せる少年時代への想いが眩しくてしにたくなる恐れもあるけれど。

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この辺は、マンションや学校が多いです。繁華街からも少し離れてきてるので閑静です。でも会社もちょこちょこあるので、飲食店もわりとある。和洋いろいろですが高級な店や落ち着いた店多いイメージです。喫茶店も、珈琲メインのひとりで寛ぎやすい店が多いです。本に集中できそさメーターはまあ安定して高い値を保ちますわな。

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そのまま東進すると、桜ノ宮駅へつづく源八橋が見えてきます。川向うあんまり行ったことない。もすこし落ち着いた街並みが広がっていたはず。本読みやすい街かなー。

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橋の麓から遊歩道へ下りることが出来た。いきかうクルマや自転車の気配が消えて、時間がスローになるのを感じます。大川を、カヌーが威勢よく進みます。いいですね。読めそう。

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ハトもストレスフリーな歩みをしている。

遊歩道はまあ、わかったので橋をわたることにします。

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緑が多い風景。読みやすそうな気配がますます高まってきました。本を。

ここで、橋からの景色でちょっとびっくりしたのですが、

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なんか、ビーチがある。右端に小さく大阪城、高層ビルが並び立ち、んで、ビーチ。

写真だとビーチかどうか微妙ですが、ビーチバレーの練習をしているのが見えるので、間違いなくビーチです。リバービーチとでも言うのか。

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 橋を渡り切りました。建物が全体的に低くなった感じ。空気感もがらっと変わりました。シティからタウンへ来た感じ。となり町という感じ。

また違った読書が出来そうです。三崎亜記・著「となり町戦争」とか。そのまんまですが。いやほんと、良い塩梅のとなり町感なのです。

で、さっきのビーチを目指してみます。

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大川沿いにけっこう大きめな公園が点在しているようです。さっきのビーチは「大阪ふれあいの水辺」というそうです。トイレも一定間隔で配置していて、リバーサイドで一日遊べそう。外で読書する場合のトイレ問題もここなら解決です。マップを見ているだけで本が開いてきそうです。

 

さて、ビーチへ降りていきます。

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看板じゃなく手書きの案内。職員さんが書いたのかな。

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いい見通し。再び、都会の速度から離脱できました。開きそう開きそう!

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ビーチ、こういうふうになってるのか。調べると、柵があるおかげで、夜中に野犬が侵入するのを防いでいるそう。しっかり管理されてて、砂はさらさら、ゴミもほとんど見当たらなかった。また、警備員さんがいて、子どもが安全に遊べるよう見守っていました。読書にも安全です。人口ビーチなので読みふけっていてうっかり満潮で流されるなんてこともありませんし。

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ほら! ビーチバレーをしている。ビーチバレーって初めて見ました。ちなみに、残念ながら(少なくとも日本には)ビーチバレーの小説はほぼ皆無のようです。なんでだろう、ビーチバレー選手は描写すべき感情が砂のように乾いてしまっているのかな。そうは見えなかったが。

ところで水辺の向こうにも遊歩道が見えます。ビーチをぐるっと囲むような道があるんですね。ちょっと本が開きます。あの道、きっと読みやすいぞ。

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まわりこんでます。家族連れもけっこう多い。大阪の川で砂浜遊び出来るなんて知らなかった。なんか、あの、水質とかゴミとかがアレなイメージがあったので。

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わあ! ほら! 読みやすい!! のどか、ハト、ベンチ!

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フゥーッ! この並木道!! ベンチはけっこうたくさん配置されてます。女性ふたりがオカリナの練習をしていて、オカリナ二重奏の「涙そうそう」がこの景色のBGMになっていました。ここで、本が、開いた。

「雲のなかの悪夢」の続き読もうっと。脱出不可能な量子的監獄に主人公はいかにして対抗するか? 「涙そうそう」が緊迫感を、逆に、なんらかの作用で高めます。高めてる気がします。

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関係ないですが、手すりのジョイントがめちゃめちゃかっこよかった。

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本を閉じて、家路につきます。いや、この日、真夏日でそろそろ体力がやばい。

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天満へ駅へ戻りがてら、市場をのぞきました。

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全てが安いです。100円でえのき3パック買えます。近隣の食卓も飲食店も、天満市場に支えられていると言っても過言ではない。

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天満駅に近づくほどに激増する飲み屋さん。昼から空いてる居酒屋多数。こういう風景たまりません。

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NIKEが好きなんでしょうか。だとすると同好の士が集うことになり、楽しそう。

 

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感情がまったく読めない人が何人かいる。

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フゥー! こういった風情の街角! 宝の包みと書いてパオパオ。良いネーミングですね。

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あやとりしようとしてるんだけど上手くいかないことによって心が壊れてしまったみたいな顔してるな。

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町がへべれけを推奨してくる。

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天満駅にもどってきました。歩いた歩いた。

 

なんとなく締めらしきことを言うと……

天満というと、天神橋筋商店街や飲み屋ひしめくエリアということで有名なのですが、そういうスポットから少しそれると、憩いレベルの高い公園や遊歩道があったりしてバランス良い街だなと思いました。

ひとりのときは遊歩道を散歩して、ひとと遊ぶときは昼から呑んだりして。飲食店御用達の市場もあり、住むにも良いです。

読書ビリティの観点から言っても、大きい公園の存在はポイント高いです。真夏でも朝とか夕刻なら焦げずに短編小説くらいなら読める。

あと、へんな貼り紙や看板、自販機が多く、今回は主旨とはずれるのであんまり紹介しませんでしたが、またそういう町のネタっぽいことも書きたいと思います。

 

ここまでお読みいただきありがとうございましたーっ!