カバンをめちゃめちゃよく考えて買うクエスト i

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カバンが欲しいという状態は、

何なんだろう。

ものを入れて運ぶ袋が欲しいという、

この感情は。

 

それは、

ファッションアイテムとして欲しいのか、

ドウグとして欲しいのか、

相棒として欲しいのか、

恋人として欲しいのか、

人心の樹海をサヴァイヴする

マチェーテとして欲しいのか、

コンクリート有機ELの迷宮を踏破せしめる

ブーツとして欲しいのか、

遺伝子を運ぶ肉の船たる宿業への

逆風のひと太刀として欲しいのか、

踏み荒らされた雑草めいて虐げられる

弱者の胸の裡に秘匿された

ただ一度立ち上がるための

ひと掬いのガソリンとして欲しいのか、

おでかけ時のテンションをアゲる

《カゝゎレヽレヽ》として欲しいのか。

 

あるいはその全てか。

 

要するに、欲しい、カバン。

ざっくり使えて

どこにでも連れていける、

わくわくするようなデイパックが良い。

 

   ◆

 

というわけで、

物欲勃興道中記・バックパック篇

みたいなものを書きつけていきます。

というか、

あーだこーだ思ったうにうにを

ザツに記します。

この《バックパック欲しい》という名の

フェアリーがいざなうクエストを

たのしむのが我が人生の今よ。

 

   ◆

 

まずクエストを進めるにあたって、

自分の属性やタイプを知っておかねばならぬ。

同じ《バックパック欲しい》のフェアリー持ちでも、

では、どういうルートが適切かというのは

ちがってくるはずだ。

なので《バックパック欲しい》を網膜に

エンチャントした状態で、雑誌をみたり

店でウィンドウショッピングしたり

市井のひとびとの装いを観察したりし、

それに対して、

自分の内奥に棲む物欲が

どのような波形で振動するのかを観測する。

 

それを溜めていって、

集積したログを確認することで

「ああ、ぼくはこういうのが欲しいのか」

を知り、それを標(しるべ)とするのだ。

なんかめんどくさいですか。そうですか。

 

   ◆

 

で、

まず行きあたったのが、

『Kletterwerks(クレッターワークス)』。

以下、同社「instagram」エントリからの引用です。

 

www.instagram.com

www.instagram.com

www.instagram.com

http://kletterwerks.com/slide/kletter-flip/kletter-flip-2/

 

『Kletterwerks』は、

デイナ・グリーソンが1975年に立ち上げたアメリカのブランド。

最高のバッグを作る為に厳選された最良のマテリアルが使われ、

デイナ氏の経験豊富な知識と技術が詰まった本物を作り続けるブランド。

 だそうです。 

大阪では梅田の「e-ma」ビルと

同じく梅田の「ALBi」に入っている

『A&F』に多く取扱がありました。

 

で、実物みた感じと、スタッフさんに話しを伺った感じだと、

ハンドメイドと、メイド・イン・USAにこだわった、

妥協なき逸品。

パーツにプラスティックが使われていないのも

なんか良いです。

古くからある金型をつかっていたり、

そのへんにも妥協はない様子。

背負い心地もよく、疲れにくそう。

この記事かくのに、instagramを拝見しましたが、

写真のセンスもイカす。

 

あれです。

カバンに何を求めるかというと、

物語と必然性と、一緒に時を刻んでくれる相棒さとかです。

なので素材もそういうものが良く

その点で、Kletterwerks製品は具合が良い。

 

わりと伝統あるメーカーであり、

頑丈な素材が選ばれているため

破損せず静かに時をその身に刻むことができ、

シンプルがゆえに、ある程度カスタムすることもできる。

(ベルトにミニポーチを取りつけたり)

 

……とかいう特徴なんて

だいたいどのブランドの製品も備えているので、

まあ、単純に、顔が好きです。Kletterwerks。

 

   ◆

 

 男性特有なのかぼくの性癖なのか、

ひとつのドウグを選ぶとき、

もうこれだけを一生あらゆるシチュエーションで

使い倒すつもりで選ぶので、

いつもめちゃめちゃ悩む。

 

ショップで見た新品の姿や

試着した感じだけでなく、

所有したあとの経年変化具合と、

それを使うことで変わる

それを使っているときの自分の所作までイメージして、

「うむ、しっくり来そうだぞ」とか、

「なんかワクワクがあるぞ」とか思えたら、

そのドウグと生涯の友だちになれそうな気がする。

 

そう思えるやつに出会えたら、

そいつとこれからもずっと遊べるとしたら、

そんな楽しいことはない。

 

ああ、ぼくは友だちが欲しいのかもしれない。

ぼくは友だち少ないからな!

 

   ◆

 

良い感じにかなしくなったところで、

今回はこのへんで。

きっとこのクエストは

まだまだ続きます。