めざせ!ホリデーじょうず

ひとりの休日の過ごし方がどうもつかみきれない。

のんびり散歩とか、公園で読書とか、コーヒー屋めぐりしたりが好きなので、ホリデーじょうずの素養はあると思うんですけど、こう、よっしゃー満喫したぁー! という感じのカタルシスを得られるまではいかない。まだいける気がする。上を目指せると思う。

きっと、休日のカタルシスを得るには、目的と達成感が必要だと思ったので、「ふつうの休日をふつうに過ごしたことをレポートする」「街を紹介する」という目的を設定した。

あと、サブテーマとして、「読書するのに良い場所さがし」というのも盛り込もう。レポートなので、行った場所の簡単な紹介などもしていこう。

そういったものがはじまります。以下に。

 

   ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

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JR大阪環状線天満駅をスタート地点とす!

慣れたエリアなので気に留めなかったけど、だいぶん入り組んだエリアなので、「←南」の貼り紙なかったらすぐ道に迷うと思う。さあどこで読書しようかな。

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改札を出てまっすぐ進むと、「日本一長い商店街」の異名をとる天神橋筋商店街にぶつかります。

 

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テントウムシが、アーケードのいたるところに現れるのですが、背中の点の数で何番街かを表しているそうです。ここは4番街なので、点は4つ。天神橋筋4丁目、略してテンヨン。

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商店街は、南北に延びていて、南端を1番街として6番街まであります。天満駅前は4番街。まっすぐ長いので、人が少ない深夜に終端を見渡そうとすると、地平線に沈んでいるように見えなくもないです。

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まあ、商店街はまあ、横断しちゃいます。人がとにかく多くて、喫茶店とか寄って本読むにしてもたぶん落ち着かないので。どこに行こうかな。

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角のセブンイレブン。巣立った仲間からのお便りがアットホーム感を出してます。家みたいに落ち着いて読書できそう。2階があるのでイートインスペースかなと思って上がってみたら、販売スペースでした。実家に帰ったら自分の部屋が物置になってたようながっかり感を4倍に薄めたくらいの、薬味ていどの落胆。

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天神橋筋商店街を横断して向かいには関西テレビのビルがあります。となりには区役所もあって、ここぞ街の中心! という風情です。

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関西テレビを抜けると区民憩いの扇町公園が広がっています。読書に適してそさインジケータの針が反応します。

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むちゃくちゃ広いです。野球とサッカーが同時にできる。むろん読書も。

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この公園、通勤の通り道なんですけど、夜の関テレの貫禄がすごい。SFアドベンチャー系の小説とか読んでたら敵のアジトには間違いなく関テレ社屋を代入する。

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ここでちょっと休憩。この芝生に腰をおろして、ちょっと読書。散歩中の犬や飼い主さんの交流、サッカークラブの子どもたちの歓声、風の音を聞きながらの読書は、ホリデーじょうずスコアが高い! 爽快です。

ちなみに、ここでは大森望・編のSF小説アンソロジー「NOVA 8」所収の山田正紀・著「雲のなかの悪魔」という中編を読みました。結晶化された知性が堆積する量子鉱山を舞台にしたゴリッゴリの特濃SFです。のどかな公園でSF読むの、目の前の風景が虚構のものに思えてきて楽しいですよ。

読書に集中できる公園はいい公園だと思います。

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公園にいくたびにハトの写真をSNSにアップするので、ぼくが公園へ読書しにいくことを奥さんは「ハト見」と呼んでいます。

ちなみに最近、ハトが飛び立つときほぼ必ず小さく「ホロッ」って言ってることに気づきました。羽ばたきによる筋肉の収縮で体内の空気が押し出されるからかなー。うっかり漏れちゃってる感じがカワイイ。

 

公園を南へ抜けて、また商店街にもどりそのまま横断します。扇町エリアへ。「雲のなかの悪魔」はまだ読み終わっていないのだ。次なる読書スポットを探します。

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高架とビル、接しすぎでは。道路公団の「阪神高速パンチ」をビルがぎりぎりで避けているという妄想をする。なんという、都市という巨大集合生命体たちの人間には知覚すらできぬ規格外の闘争か!

えーと、なんか、阪神高速沿いのこの一区画だけひっそりしてるんですよね。もうちょっと歩くと飲食店がひしめいているんですが。

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こんな感じで、だんだん店が。

きっとしみじみ美味い焼き鳥が食べられる「とりやん」。2階の配管、これだと左の窓の庇(ひさし)がぎとぎとにならないか。気になって本に没入できない。やたらぎとぎとした本なら良いかも。平山夢明さんの小説とか。平山夢明さんの小説は読み始めて2行くらいで、生ぬるい血とか脂の感触がしてきて、ぎとぎと読書にオススメですよ。

 

もうちょい進むと、阪急オアシスというスーパーがあったりして、住宅地に入っていきます。

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老舗っぽいけど小ぎれいな喫茶店。朝8時~夜8時まで。けっこう遅くまでやってる。仕事終わりに立ち寄って、読んでる本がうっかり佳境にさしかかっても安心して没頭できそうです。

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「フジオ珈琲」。ただの良い喫茶店です。何回か利用しました。モーニングでナポリタンが選べます。朝からがっつりいきたい人に。

もちろん読書にも最適! なのですが、良い意味でのノイズが少なすぎる気もします。居心地がよすぎるというか。

安定した集中しやすさはありますが、読書体験の限界突破を狙うなら適度なガヤガヤ感とかの不確定要素が多いほうが良い、というアレがあるので、旅は続きます。

とか考えてたこのへんで、読書感が歪んできました。あれ、これゴールどこだ……。

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扇町エリアを抜けて、東天満へ。

こういう店いいなあ。近所の小学生が放課後つどいそう。朝、パンを買いにきたことがあるのですが、この家の小学生の子どもを友達が迎えにきて、一緒に登校するシーンに遭遇しました。いや、なにっちゅうアレでもないんですが、「暮らし!」と思いました。

んで、やっぱりこういう商店にはチェリオの自販機だよな~! と。

この店のパンとチェリオのジュース買って、このへんの公園で本読むのいいな。重松清・著の名作少年小説「きよしこ」とか。馳せる少年時代への想いが眩しくてしにたくなる恐れもあるけれど。

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この辺は、マンションや学校が多いです。繁華街からも少し離れてきてるので閑静です。でも会社もちょこちょこあるので、飲食店もわりとある。和洋いろいろですが高級な店や落ち着いた店多いイメージです。喫茶店も、珈琲メインのひとりで寛ぎやすい店が多いです。本に集中できそさメーターはまあ安定して高い値を保ちますわな。

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そのまま東進すると、桜ノ宮駅へつづく源八橋が見えてきます。川向うあんまり行ったことない。もすこし落ち着いた街並みが広がっていたはず。本読みやすい街かなー。

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橋の麓から遊歩道へ下りることが出来た。いきかうクルマや自転車の気配が消えて、時間がスローになるのを感じます。大川を、カヌーが威勢よく進みます。いいですね。読めそう。

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ハトもストレスフリーな歩みをしている。

遊歩道はまあ、わかったので橋をわたることにします。

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緑が多い風景。読みやすそうな気配がますます高まってきました。本を。

ここで、橋からの景色でちょっとびっくりしたのですが、

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なんか、ビーチがある。右端に小さく大阪城、高層ビルが並び立ち、んで、ビーチ。

写真だとビーチかどうか微妙ですが、ビーチバレーの練習をしているのが見えるので、間違いなくビーチです。リバービーチとでも言うのか。

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 橋を渡り切りました。建物が全体的に低くなった感じ。空気感もがらっと変わりました。シティからタウンへ来た感じ。となり町という感じ。

また違った読書が出来そうです。三崎亜記・著「となり町戦争」とか。そのまんまですが。いやほんと、良い塩梅のとなり町感なのです。

で、さっきのビーチを目指してみます。

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大川沿いにけっこう大きめな公園が点在しているようです。さっきのビーチは「大阪ふれあいの水辺」というそうです。トイレも一定間隔で配置していて、リバーサイドで一日遊べそう。外で読書する場合のトイレ問題もここなら解決です。マップを見ているだけで本が開いてきそうです。

 

さて、ビーチへ降りていきます。

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看板じゃなく手書きの案内。職員さんが書いたのかな。

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いい見通し。再び、都会の速度から離脱できました。開きそう開きそう!

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ビーチ、こういうふうになってるのか。調べると、柵があるおかげで、夜中に野犬が侵入するのを防いでいるそう。しっかり管理されてて、砂はさらさら、ゴミもほとんど見当たらなかった。また、警備員さんがいて、子どもが安全に遊べるよう見守っていました。読書にも安全です。人口ビーチなので読みふけっていてうっかり満潮で流されるなんてこともありませんし。

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ほら! ビーチバレーをしている。ビーチバレーって初めて見ました。ちなみに、残念ながら(少なくとも日本には)ビーチバレーの小説はほぼ皆無のようです。なんでだろう、ビーチバレー選手は描写すべき感情が砂のように乾いてしまっているのかな。そうは見えなかったが。

ところで水辺の向こうにも遊歩道が見えます。ビーチをぐるっと囲むような道があるんですね。ちょっと本が開きます。あの道、きっと読みやすいぞ。

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まわりこんでます。家族連れもけっこう多い。大阪の川で砂浜遊び出来るなんて知らなかった。なんか、あの、水質とかゴミとかがアレなイメージがあったので。

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わあ! ほら! 読みやすい!! のどか、ハト、ベンチ!

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フゥーッ! この並木道!! ベンチはけっこうたくさん配置されてます。女性ふたりがオカリナの練習をしていて、オカリナ二重奏の「涙そうそう」がこの景色のBGMになっていました。ここで、本が、開いた。

「雲のなかの悪夢」の続き読もうっと。脱出不可能な量子的監獄に主人公はいかにして対抗するか? 「涙そうそう」が緊迫感を、逆に、なんらかの作用で高めます。高めてる気がします。

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関係ないですが、手すりのジョイントがめちゃめちゃかっこよかった。

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本を閉じて、家路につきます。いや、この日、真夏日でそろそろ体力がやばい。

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天満へ駅へ戻りがてら、市場をのぞきました。

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全てが安いです。100円でえのき3パック買えます。近隣の食卓も飲食店も、天満市場に支えられていると言っても過言ではない。

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天満駅に近づくほどに激増する飲み屋さん。昼から空いてる居酒屋多数。こういう風景たまりません。

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NIKEが好きなんでしょうか。だとすると同好の士が集うことになり、楽しそう。

 

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感情がまったく読めない人が何人かいる。

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フゥー! こういった風情の街角! 宝の包みと書いてパオパオ。良いネーミングですね。

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あやとりしようとしてるんだけど上手くいかないことによって心が壊れてしまったみたいな顔してるな。

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町がへべれけを推奨してくる。

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天満駅にもどってきました。歩いた歩いた。

 

なんとなく締めらしきことを言うと……

天満というと、天神橋筋商店街や飲み屋ひしめくエリアということで有名なのですが、そういうスポットから少しそれると、憩いレベルの高い公園や遊歩道があったりしてバランス良い街だなと思いました。

ひとりのときは遊歩道を散歩して、ひとと遊ぶときは昼から呑んだりして。飲食店御用達の市場もあり、住むにも良いです。

読書ビリティの観点から言っても、大きい公園の存在はポイント高いです。真夏でも朝とか夕刻なら焦げずに短編小説くらいなら読める。

あと、へんな貼り紙や看板、自販機が多く、今回は主旨とはずれるのであんまり紹介しませんでしたが、またそういう町のネタっぽいことも書きたいと思います。

 

ここまでお読みいただきありがとうございましたーっ!

カバンをめちゃめちゃよく考えて買うクエスト ~2017サマー~ ii

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前回に引き続き物欲と踊る煩悶道中記、夏カバン編その2です。

前回はこちら。

usomegane.hateblo.jp

で、まあ、あれです。買いました。

熾りに熾っていた物欲は鎮火しました。

しかし! だとて! 使ってナンボのドウグ欲が収まったわけではなく、まだいくらでも書きたいことはある。

とりあえず、今回入手したコイツについて書いていきたい。

冒頭の写真のカバン、《MYSTERY RANCH》の「HIP MONKEY 2」、マルチカムカラーです。7000円+tax

さあ、魅力を伝えるぞ!

と思ったのですが、なんだ、こう、カバンという概念の存在としての素晴らしさについてはいくらでも書けるけれど、実在の、物質的にそこにある、ひとつのカバンについてとなると、なんて書いていいかわからない。

そもそも、決め手は、「なんか良い」からだしなー。どこが具体的に好きかっていわれると、ううむ、いや、まあ悪くないと思うよ、全体的に、とかそんな感じだ。

あれでしょうか。もしかしたら、HIP MONKEY 2 の使い心地を知ろうとしてこのブログにたどり着いた方もいるのでしょうか。

そうなのですか、貴方?

いや実際、ぼくも買う前に、めちゃめちゃネット検索しました。ブランドサイトやらショップHPやら購入者のブログやら。

ショップの売り場でお行儀よくディスプレイされてる写真も良いのですけど、スタッフさんの着用写真も良いんですけれど、めちゃめちゃ参考にさせていただきましたけれど、思ったのは、やっぱり知りたいのは、使ってみてどーよ!? ってことなのだ。

フツーにHIP MONKEYを身に着けててフツ―に街歩きしたり買い物したりして、普段使いしつづけて、それで使い心地どうなのか、という所感が知りたい。

まーどうしても購入者のモチベーション的に買った瞬間がMAXだろうし、あとから感想を書くことは少ないのかな。でもそういうのがわからないのは、これから買おうかなと思っている者からするともどかしかった。

なので、ぼくが書こう!

と、思いましたが、カバンの使い心地って何書けばいいのかわからん。

わからんけれども、自分がどう使ってるかとか、気づいたこととか書けば良い気がするのでそんな感じで、あとは流れでゆきます。

 

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まず入れてるものども~。(出勤編)

・二つ折り財布

・フェイシャルペーパー

・水筒(容量:355ml)

ブルーライトカット眼鏡

ほぼ日手帳

それから、マチなしのフロントポケットには、

・カギ類

・カードケース(ポイントカードとか)

・折り畳みエコバッグ

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ベルトに取り付けた写真右のTERGのポーチには、

・目薬

・イヤホン

・ポケステ

といった感じです、ポケステはあのポケステです。どこでもいっしょだこのやろう。

たぶんウェストバッグとしてはめっちゃ容量大きいです。

スペック上は8Lです。

ただ、いっぱい入れてるぶん重くなるんですけど、ベルトが太いので加重が分散してわりと楽です。ベルトが食い込んで肩が爆ぜる心配もありません。まあ、重いっちゃ重いですけど、水筒がなけりゃ余裕でしょう。

 

あと、内容物が少ないときは、下部コンプレッションベルトでマチを絞れるので、ぶかぶかしません。これけっこう嬉しい。

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背面にはしっかりしたさわり心地のメッシュパッドが。夏の安心感!

クッション厚手です。加えて、軽量硬質のプレートが入っており、タブレット端末とか入れても、バッグ本体の屈曲によるダメージの心配もなさそう。

あ、ちなみに、ベルトは長めかつクリップは付属してないので、別で買いました。300円くらい。(写真の下の方にちょっと見えてるやつ)

 

あとは、なんでしょう。あのー、たすき掛けにして使ってるのですけれど、カパカパしません。

えーと、ぼくはウェストバッグをたすき掛けにするのって抵抗ありまして、もともと。ほら、ウェストバッグってバッグ本体の真横にベルトがついている構造上、腰に垂直に巻きつけてフィットする作りじゃないですか。

それをたすき掛けにすると、体にフィットしきらずダブつく。具体的には、カバンの上半分が浮く。それがなんか、キレイじゃないと思ってたんですけれど、HIP MONKEYはフィットしました。

MYSTERY RANCH公式サイトの商品ページにも

たすき掛けで使っても身体にしっかりフィット

という記載があったので、そのへん考慮された設計なのでしょう。これ嬉しいです。

 

それから、モノの出し入れについて。

止水ジッパーは固くて開け閉めしづらいイメージありましたが、わりとしゃっと開け閉めできます。開口部も広いので、たすき掛けにしたままでも、内部をごそごそしやすいです。お買いものの時とかでも、お財布をささっと出せますよ。身に着けたままごそごそしやすさ大事です!

 

それからですね、上の背面写真を見てわかるように、取っ手がついています。これも地味にうれしい。

あの、居酒屋にいくじゃないですか、夏ですし。で、テーブル会計のパターンだと足元の荷物カゴに置いたHIP MONKEYから財布出して支払うじゃないですか。で威勢の良い店員さんが「おおきにありあーしたぁー!」って威勢よく送り出してくれようとするんですけど、ほんとうはその声を背にうけながらスムーズに店を出たいんですけど、もしこのカバンに取っ手がなかったら「よいしょっ」とカバンをたすき掛けするというワンアクションが生まれてしまうじゃないですか。その間、店員さんはたぶん「お気をつけてまたおねあしあーす!」とMAXで言おうとしたままちょっと待つじゃないですか。でも、取っ手があるから、たすき掛けしなくても取っ手を持ってさっと辞去できる。店員さんもノーモーションで「またおねあしあーす!」を放てるじゃないですか。で、店を気持ちよく出てからたすき掛けにする、と。

取っ手があるから実現できるパフォーマンスです。

いやベルト持って出たらいいじゃん、って?

そしたら本体がぶらーんてなってしまうじゃないですか! 赤ちゃんを抱くときは重心の近くを持ちたいじゃないですか!赤ちゃんの中にはたくさんの尊いなにかが詰まっているから。手足だけを持って赤ちゃんを持ち上げますか貴方? 尊いなにかが詰まっている森羅万象に対しては、持つときは端っことじゃなくて真ん中に近いとこを持ちたい。

あと、HIP MONKEYを身につけるときは、この取っ手はうまいこと隠れてくれます。

 

取っ手のはなしが長くなりました。すみません。

あと、まあ、公式サイトやらに詳しいですけれど、《MYSTERY RANCH》はメイド・イン・USAにこだわりのあるブランドなのですが、最近国外生産もはじめたようで、このHIP MONKEY 2は、ベトナムメイドです。

しかし、クオリティを保とうという姿勢は凄まじく、ブランドラベルに「USA」って書いてないだけで遜色なし。店頭でけっこう見比べましたが、ぜんぜん違いわからんかった。それで、値段がUSAメイドのモデルに比べ半額程度なのはありがたいです。

 

と、まあ、レビューはこんなところでしょうか。

使いやすいし、素材は堅牢だし、信頼のブランドだし、コスパはめちゃくちゃ良いのではないか。そして結論として言えるのは、今回書いたことはほとんど機能性のはなしであり、しかし機能性もまーそりゃ優れてるにこしたことありませんが日常使いするうえでは「なんか気分がアガる」かどうかが大事じゃないのかなーと思うので、ここまでのこと全部わすれて実物に会いにお店にGOだ!(ちかくに無かったらごめん!)

カバンをめちゃめちゃよく考えて買うクエスト ~2017サマー~ i

www.instagram.com

 

カバンを求める旅はつづく。

ひとがその身ひとつだけでは生きていけないのなら。

生きていくうえでいろんなものを背負ってゆくのなら。

背負って運ぶためのドウグがいる。

背負って運ぶためのドウグが、あるいは人間のほうをもう少しだけ遠くへ運んでくれる。

 

カバンは、ものを入れて運ぶためのドウグだけど、良いカバンはドウグのくせに、ひとを何かに駆り立てもする。目的があって手段があってドウグあるべきなのに、それが逆になることもある。ドウグが、目的を生む。

たとえば良いドウグは、ひとを少し遠くへ旅立たせるかもしれない。アイコンとして同好の士との出会いを育むかもしれない。

 

いや、つまりですね、良いカバンは気分がアガりますね、ってことです。

写真のデイパック、《kletterwerks》社の「kletter Day」は、去年、恋するように出会って購入に至った相棒でヘビーに使っていますが、まだ、ふと出会ったときのトキメキを思い出させてくれる良いカバンです。

usomegane.hateblo.jp

妥協せず選んだものは、ずっと、良い。

これからもずっと一緒にいろんな場所に連れて行きたい好きなカバンです。ぼくは気にいったものがあると、あほみたいにそればっかり使うので、もうこのカバンだけあれば良いのでは、と思っています。ところで新しいカバンが欲しいです。

新しいカバンが欲しい。

いや、あれです、このkletter Day、去年の秋に買ったのですが、ほら、夏が来た。から梅雨のまま真夏がやってきた。で、暑いじゃないですか。背中とか。デイパックって。

まだぎりぎり大丈夫なのですが、いずれ、デイパックを背負うことによる蒸れとかで不快感をいだくのが怖い。

好きなあのコを嫌いになることなんてないと思うけど、でも、もしかしたら……とすこし不安。

そこで夏カバンです。夏カバンがほしい。

背中むれないやつが。必要なものはしっかりと入って、でも小ぶりなやつが。たとえばボディバッグ。たとえばミニショルダー。

で、今、物欲のスイッチがオンになったまま故障してオフにもどらないヤーツに陥っています。ワクワクを誘発する夢が幻惑する、迷いの森へ入り込んでいます。

で、まあ、例によって、というかなんというか、その、物欲に対して煩悶としているのを雑に記す道中記を、今から以下に。

 

   ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

とりあえず「A&F」ショップに行きました。

「A&F」はアウトドアギアの専門店ですが、タウンユースにも良いグッズの扱いも多く、ラインナップも好みで、ぼくにとっての「ここにいきゃーなんか見つかる店」です。皆さんにもあると思います。「ここにいきゃーなんか見つかる店」。それです。

 

で、いいなーと思ったのが、《MYSTERY RANCH》というブランドのヒップバッグ。銘を「HIP MONKEY」シリーズという。 以下、写真をinstagramより引用。

www.instagram.com

www.instagram.com

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それから「A&F」公式通販サイト→【MYSTERYRANCH ミステリーランチ ヒップモンキー:エイアンドエフ オンラインストア【公式通販サイト】

 

伝説的アウトドアギア・メーカーの、数少ないタウンユースにもちょうど良い小型モデル。んでも、容量多く、お店で試しにふだんのデイパック(冒頭の写真のやつ・容量15L)に入れてる荷物を入れさせてもらったら、だいたい入りました。

メインコンパートメント(主にいれるとこ)以外にポケットがふたつあり、また、ベルトも丈夫そうなので、ミニポーチを付けるのもありでしょう。こういうのとか→【Lポーチ S / マルチカモ | ターグ | Helinox(ヘリノックス)公式サイト

あと、背面は厚手のメッシュになっており、快適性も高い。

で、まあ、いいんですよ、そういう、使い勝手の良さそさとかデザインの感じとかは。大切なのはいつも、ありのままの感情でソレと対峙したときにハツを掴まれるかどうか。「なんか良い」かどうか。

ひとはもっと、おとなはとくに、「なんか良い」に正直になるべきだ。大切にしていますか。日々あなたの心を共振させるいろんな大きさの「なんか良い」を。そういうものにたくさん気づくことができる、そういう人は人生をきっとしあわせに送ることができるのではないかとかは今どうでも良いのですが、ともかくこの《MYSTERY RANCH》の「HIP MONKEY」は「なんか良い」です。

で、何が良いのか!?

なんか!!

 

……えーと、《MYSTERY RANCH》というブランドについては、公式サイトのブランドヒストリー曰く、

Mystery Ranch(ミステリーランチ)は『機能性』『背負い心地』『品質』そして『耐久性』の伝統の基に築かれています。2000年からミリタリー、ハンター、森林消防隊、登山家の為に過酷な現場で本当に使える職人手製のバックパックと荷物運搬システムを作り続けています。米国モンタナ州ボーズマンを拠点にグローバル展開を広げています。

www.mysteryranch.jp

 と。

こういうの、いいですね。

過酷な現場でヘビーにタフに使えるんですって!

職人手製で妥協のない堅牢な作りなのですって!

あとは、アウトドアギア業界でも伝説的なブランドでもあるらしい。バックパックの最終到達地点がそこにある。

いや、まあ、あれですよ。主にぼくは会社の通勤や休日のご近所のお出かけに使うんですよ。そういうカバンがいま欲しい。

ちなみに、別に、通勤途中に山岳地帯があり頻発するゲリラ紛争により飛び交う銃弾をかいくぐって会社までいかなければならないわけではないです。休日、火事場があれば赴いてレスキュー活動に尽力するとかではないです。

ないですが、《MYSTERY RANCH》のカバンを使ってもいいじゃないか。いいですよね。

危険地帯に赴かない。耐久性をためすかのようなタフな用途で使う予定もない。でも、一生使います。カバン買おう、というときは、一生使うつもりで買うので、ぼくか、カバンのどっちかが、存在の最低条件を保てなくなるまでは多分つかう。

あれですよ、ずっと使い続ける、ということも十分にタフなのではないか。

 

と、こう書きながら、「なんか良い」と思えるものの何が良いのか考えていると、まあ言葉にならない茫漠としたファクタも多分にあれど、ひとつ挙げるとすれば、「そいつと一緒なれた先を想像してしあわせかどうか」だと思う。

こいつと一緒になれたらあそこに行ってみよう。興味はあったけどやらなかったあんなことにチャレンジしてみよう。

そんなことを、気が付いたら考えてしまう相手かどうか。

この《MYSTERY RANCH》の「HIP MONKEY」は、そういう相手かというと微妙だ!そんなまあ、そんなでもない。でも、なんか気になる。

もしも結局ほかのカバンを買ったとしても、見るたびにずっと気になると思う。気になって結局いずれは買ってしまうと思う。幼馴染タイプだと思う。幼馴染ってだけの関係なので相手も、こう、そういう感じを出してこないし出すのも違和感あるから、こっちもそれと気づきにくい。でも隠せない感情はお互いにあって、こころの片隅にはいつも居て、気になってしまうのだ。お互いってなんだ。カバンの話ですが。

 

ぼくは幼馴染とくっつくのか。あるいは別の、夏の陽炎の向こうから手を振るまだ見ぬ相手が現れるのか。

一番たのしいやつです。欲しいものがあること。その霜降りの部分をいま咀嚼している。へへへ。つづく。

それは本当にひなたぼっこか

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休日の朝の良いスタート。今日も仕事な同居人を見送りがてら、公園でひなたぼっこ。


ひなたぼっこの何が良いスタートなのか? と思われるだろうか。アナタ、ひなたぼっこをナメてはいけない。


直射日光を浴びることは容易いけれど、そこに少しでも「あっちーなちくしょう」とか「こんなぼんやりしてる場合じゃないのでは」とかいう感情が介在するならば、ひなたぼっこ不成立となる。


「ぽかぽか気持ちいいなぁ」だ。それも「ぽかぽか気持ちいいなぁ」の純度が100パーセントに達してはじめて、そのおこないが真のひなたぼっことして完成する。


そういった意味ではぼくは、実は、ひなたぼっこしていない。ひなたぼっこはしているけれど、真なるそれは、出来ていない。


今日めちゃめちゃ天気が良いんですけど、ちょっと、あっついわー。

似た者どうし

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2年くらい前に、『田舎そば』という蕎麦屋の「カレー丼」が美味いと聞いて、ずっと気になっていた。人気の蕎麦屋の自慢の出汁を使った、特製カレールゥが、絶品なのだという。

 

カレー丼というと、賛否あるイメージです。日本人にとって馴染み深いいわゆるカレーライスの、その亜種がカレーうどん・そばで、蕎麦屋カレー丼というと、そのさらに亜種。出汁の効いたあんかけカレールゥと米の組み合わせには違和感あるという人もいるのでは。

 

しかしそれは、お米に合わせることを考えていないカレー出汁を使ったカレー丼の場合で、この『田舎そば』のカレー丼は、そういった半端な品ではなく、そのルゥは、もともとうどん・そばに合うようにアレンジしたカレー出汁を、お米に合うように再構築しているとかいう、そういったニュアンスのアレです。

 

まあ、そういった感じで、美味しそうだなーと思い続けており、先日、気分とタイミングがハマり『田舎そば』に訪れ、ようやく気になっていた「カレーうどん」を食べた。

 

ルゥのとろみは強めで、麺によくら絡み、くちの中でしっかり味を広げてくれる。スパイシーかつもともとの出汁のクォリティの高さもしっかり感じられ、美味い。そして最後までアツアツだ。具材の豚肉やネギ、おあげも良いアクセント。

 

満足と満腹を得て、身体に満ちるカレー&出汁のもたらす多幸感に包まれながら、箸を置いて、

「あ、注文まちがえた」

と思った。

ハードルを下げよ

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なんか、こう、「ちゃんとしよう」としてしまわないか。力まなくて良いのに力んでしまったり、それによって、やろうと思ってたことが思うように出来なかったり。

 

最近、休日の過ごし方について、少し真剣に考えている。「せっかくの休日!有意義な過ごし方をしよう!」という気持ちがある。それはそれで、良いのだけど、その気持ちが強く出ていると、たいてい失敗する。

 

失敗って、まあ、失敗ではないのだけど、「あれもこれもやろう!」と思ってたことが、少ししか出来なかったりすると、失敗した気分にはなる。

 

やりたいことはいろいろあり、「ひるね」「読書」「文章を書く」とかだ。休息して、インプットして感動したりなどして、アウトプットして創作意欲を満たす、みたいな三本柱だ。書き出すと簡単そうだ。なのに、あんがい出来ない。ちくしょう。

 

何故できないのだ。たぶん、「りきみ」だ。せっかくの休みなので、それぞれをちゃんとしようとし過ぎるのだ。

 

「ひるね」は朝食後家事を終えた後か昼ごはん食べた後が適切なタイミングだけど、午前中は市場で買い物したいし、というか家事して一息ついてる時にスマホ触り出すと昼になってしまいタイミングを逸するし、では昼ごはん後はどうかというと休日の昼にそもそも家に居ることがなんかもったいなく思え、もやもやを抱えたままの澱んだひるねになりそうでなんか違う、とか思ってる間に、せずに終わるか、よる無理やり仮眠とろうとして変な感じになる。

 

「読書」は、まあ簡単そうなのだけど、雑事を済ませた後、居心地の良いカフェなどに赴きおこないたいとか思うのだけど、そうするとまずカフェ選びから始まることになり、まあ、お気に入りの行けば間違いなくリラックス出来るカフェはわかってても、いつもと同じカフェでは芸がないとか思ったりして、ではどこへ?となり、近所を自転車でうろうろしてる間にお茶するってよりそろそろ夕ご飯ではという時間になるし、カフェには着地できたとして、そこで読む本もせっかくなら休日のテイクアレスト値をより高める選書が良いとか思ったりもするので読んだら読んだでこれじゃなかったかなぁとか思ったりしてなかなかうまくいかない。

 

「文章を書く」は、これは、これがまあ、ふわっとしていて、そもそも何を書きたいのかというところからして「なんか書きたい」「なんかアウトプットしたい」という茫漠ぐあいなので、ミッションコンプリートの判定も曖昧で、まあでも、そのとき書きたいことを書こうと思うのだけど、そんな「よし書こう!」と任意のタイミングでなるわけでもなく、「よし書こう!」が来ても「で、何書こう?」となることも良くあり、出張コーヒー屋の活動の告知とかコーヒーコラムでも書こうかと思うけど、テーマが決まっても「よし書こう!」と興が乗るかは別のはなしで、そこが合致しないと書きはじめてもすぐ気がそれてしまい、では何で合致しないのだろうと考えるときっと、そもそもこんな風に書く前からうにうに考えてるからだろうなぁとなり、「よし!とりあえず書こう!」と思い立つけど「で、何を?」「というかそんなに気分もノってない」と、思考が次の周回に入り、アウトプットしたい気持ちのバルブになんかが詰まったみたいになってる間に日をまたぐ。

 

で、最初の話にもどりますが、やりたいことやれる時間あるのにうまくやれないときは、力まずハードルを限界まで下げて、とりあえずやってから考えりゃいいんじゃないか。

 

例えば文章を書くことで言うと、ちゃんとした感じじゃなくても、マクドで友だちとダベるくらいのノリで、書けば良いよね。まずは。

 

意味付けなどは、読んだひとがするのであって、自分だけで評価してフタをしめるのはナンセンスだ。なので、ハードルを限界まで下げたことを書くぞ!

 

…………で、何書こう?

 

   ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

本文とは関係ないんですが、知り合いのまんが描きの“斉所”さんの「メートルを上げよ」というまんがが面白いです。

 

旧知の仲である、プロのまんが家とうだつがなかなか上げられぬ同人作家が居酒屋でのんだくれるところから始まる、まんがという正体不明の光に向かう人たちの、ときにゆるく、ときに胸打つ日々を生きる冒険譚。

http://hunkotu.hatenablog.com/entry/2017/02/23/180300

 

いや、タイトル繋がりで。そして、紹介したかったので。唐突な感じでスミマセンです。

ジャスミンティのワンランクうえ茶さ

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こんばんは。

ジャスミンティを飲みながら書いています。

 

ジャスミンティを良く飲むのですが、

ジャスミンティの持つ、どこか、こう、

おしゃれな、オリエンタルな、ほわんとした、

そういうアトモスフィアが、

普段の「お茶を飲む」行動をワンランク上の

それにします。

 

あれです、職場にですね、お茶を持っていく。

マイ水筒で。

仕事といえばあれです。

緊張感がある。

日々くりかえされるもので、

やり甲斐が摩耗し、

メンタルのなんかが擦り切れてくる。

日々、ということのなんという無常さか。

いや、まあ、実際には良い同僚や先輩にめぐまれた

良い職場なのですが、まあ、くりかえされると

部分的に磨滅ってくる部分はやはりある。

 

ジャスミンティである。

そんなときに。

ジャスミンティでなくとも良いのだけど、

なんかそういうワンランクうえ茶である。

ハーブティでも良い。

豆から挽いて手点てした珈琲でも良い。

 

そういう、仕事に持ち込んでもおこられない、

自由やピンクの雲めいたほわんとしたもの。

磨耗した部分をぽむと包んでほわあとしてくれるもの。

そういうものがあると、

そういうものが自分で理解できていると、

つよい。

それがぼくにとってのジャスミンティである。

と書いてみると別に、

ジャスミンティはそういうんじゃないな、

と思う。

そういうんじゃないわ。

なんか良い匂いなのですきー。